耐量子コンピューター暗号 (PQC) 03-04-2026

独自の PQC テストサーバーを構築する方法

Larry Seltzer

長年にわたる警告や予測を経て、いよいよ自社システムに耐量子コンピュータ暗号(PQC)を導入できる時代に入りつつあります。お客様が耐量子コンピュータ対応への取り組みを開始したいと考えていることを踏まえ、当社はシンプルで完全に PQC によって保護された Web アプリケーションを作成し、GitHub リポジトリで公開しました。

このアプリケーションはシンプルな構成です。正常に実行されたことを確認するためのバナーページを生成します。ただし、このページは HTTPS 経由で取得されます。このページに使用される TLS 証明書は、デジタル署名アルゴリズムとして ML-DSA を採用しています。ML-DSA は、RSA や ECDSA を将来的に置き換えることを目的とした、量子コンピュータに対して安全なアルゴリズムです。これにより、本アプリケーションは真の耐量子コンピュータ対応アプリケーションとなります。

このアプリケーションの実装には、Linux の管理スキルが必要です。手順は Amazon Web Services 環境での実行を前提に記載されていますが、他のクラウド環境やオンプレミス環境でも動作する可能性があります。必要なソフトウェア(Nginx、OpenSSL クライアント、Curl および/または Links)はすべてオープンソースで入手可能です。十分な知識があれば、他の Linux 環境や Web サーバーへ移植することも可能です。実現された場合は、ぜひ pqc.labs@digicert.com までご連絡ください。

なお、本アプリケーションのクライアントとして Web ブラウザは使用しません。現時点ではいずれのブラウザも ML-DSA をサポートしていないためです。当社では、生の HTML を取得・表示するコマンドラインツールである Curl、およびページをテキスト形式で表示する Links を用いて動作検証を行いました。以下は Links による出力例です。

ML-DSA