マルチ CDN とは

マルチコンテンツ配信ネットワーク（CDN）は、複数のコンテンツ配信ネットワークを使用してコンテンツをエンドユーザーに配信します。CDN は、地理的に離れているサーバーが連携して動画、画像などの静的または動的なウェブコンテンツを世界中のユーザーに配信するネットワークです。

デジサート Constellix マルチ CDN の特徴

デジサート Constellix DNS のマルチ CDN では、単一の CDN プロバイダーに依存する代わりに、複数の CDN プロバイダーを使用してコンテンツをエンドユーザーに配信します。トラフィックを複数の CDN プロバイダーとそれぞれのネットワークに分散させることにより、コンテンツ配信のパフォーマンスと信頼性が向上します。

複数の CDN を利用することにより、ウェブサイトやアプリケーションは、各プロバイダーのネットワークカバレッジ、サーバーロケーション、キャッシュ機能、価格モデルなどの強みと特長を活かすことができます。このアプローチは、CDN の障害、ネットワークの混雑、およびコンテンツ配信の可用性と速度を左右する可能性があるその他の問題の影響を緩和するのにも役立ちます。

デジサート Constellix マルチ CDN を使い始めるために、組織に CDN アグリゲーターやマルチ CDN プロバイダーは必要ありません。ご利用中の DNS プロバイダー（願わくばデジサート DNS）を使用して、単一のインターフェイスから完全に制御できます。デジサートのマルチ CDN 管理ソリューションにより、ビジネスは高速化し、世界中で稼働率 100% を享受できます。Constellix は、リアルタイムの機械学習を使用して、トラフィックをユーザーごとに最適の CDN に動的にルーティングします。

マルチ CDN の仕組み

ステップ 1: DNS ルックアップ 
ユーザーは www.exampledomain.com に対してクエリを実行し、DNS プロバイダーは www レコードを使用して応答します。この場合、www レコードは複数のホスト名のプールに対する CNAME であり、各ホスト名はそれぞれ異なる CDN プロバイダーに対応しています。

ステップ 2: スマート CDNの判断 
DNS プロバイダーは内部ロジックを使用して、どの CDN ホスト名を返すかを判断します。この判断は、ホスト名の可用性、応答時間、ユーザーのロケーション、ユーザーのネットワーク、またはこれらの要素の組み合わせに基づきます。

ステップ 3: 最適なホスト名の選択
各ユーザーに最適なホスト名がリゾルバに返され、リゾルバが CNAME レコードを解決します。ユーザーは CDN に接続して目的のウェブサイトのファイルをロードします。プロビジョニング対象の CDN プロバイダーについては、デジサートはいくつかの CDN プロバイダーとのパートナーシップにより完全統合を実現し、マルチ CDN プロセスをシームレスなものにしました。デジサート Constellix DNS は任意の CDN プロバイダーと組み合わせて使用できることを知っていただくことも重要です。セットアップ中、［custom provider］を選択するだけでプロセスは完了です。

デジサート Constellix マルチ CDN の実装技術

1. DNS ベースの負荷分散: DNS 解決を使用して、ネットワークプロキシなど選択された基準に基づき、トラフィックを複数の異なる CDN プロバイダーに分散させます。
2. マルチ CDN 切り替え: アプリケーションやウェブサイトが、レイテンシー、スループット、エラー率などパフォーマンスメトリックのリアルタイム監視に基づき、別の CDN プロバイダーに切り替わることができます。

2023 年にマルチ CDN を採用するメリット

コンテンツ配信にマルチ CDN 戦略を採用するメリットはいくつかあります。最も重要なメリットの 1 つは、信頼性と冗長性の向上です。複数の CDN を使用することで、CDN のいずれかに障害が発生した場合でも、コンテンツを常に使用可能な状態に保つことができます。これは、E コマースサイトやメディア企業など、オンラインコンテンツ配信への依存度が高い企業にとって特に重要となり得ます。

パフォーマンス向上も、マルチ CDN のメリットの 1 つです。コンテンツを複数の CDN に分散させることにより、レイテンシーを減らし、ユーザーのロード時間を短縮できます。これは、世界のさまざまな地域の顧客にサービスを提供している企業にとって、特に重要となります。優れたパフォーマンスを発揮する CDN は、地域ごとに異なる可能性があるためです。

最後に、マルチ CDN はコスト削減にも役立ちます。複数の CDN を使用することにより、競争力のある価格設定を活用し、コンテンツ配信サービスに有利な価格を交渉できます。また、複数の CDN への負荷分散は、トラフィックを複数のプロバイダーに分散させることにより、コンテンツ配信の全体的なコスト削減にも役立ちます。

マルチ CDN の課題

マルチ CDN 戦略の採用には多くのメリットがある一方、企業が直面する課題もいくつかあります。最大の課題の 1 つは、複数のプロバイダーの管理です。企業は、複数の契約と SLA を管理する必要があり、複数の CDN プロバイダーを使用するための予算も必要となります。こうした課題は組織により異なりますが、これらを解決するのは難しくはありません。

マルチ CDN のユースケースの例

地理的多様性: 複数の CDN を使用することにより、ウェブサイトのコンテンツを世界中のさまざまな場所から配信できます。これは、レイテンシーを減らし、ウェブサイトのプライマリサーバから離れた場所にいる訪問者のユーザーエクスペリエンスを向上させるのに役立ちます。

冗長性: 1 つの CDN で障害またはパフォーマンスの問題が発生した場合、ウェブサイトは別の CDN にすばやく切り替わり、ユーザーがコンテンツを使用できる状態を保つことができます。

アフォーダビリティ: ビジネスに複数の CDN プロバイダーを使用すると、予算を守り、全体的なコストを削減できます。さらに、トラフィックを複数の CDN に分散させることにより、ウェブサイトで、単一の CDN への過負荷や、帯域幅の過剰利用に対する追加料金の発生を回避できます。

最高水準のセキュリティ: マルチ CDN アプローチでは、冗長性、および DDoS（分散型サービス妨害）攻撃に対する防御を備えることにより、セキュリティを強化できます。ある CDN が攻撃を受けた場合、ウェブサイトはすばやく別の CDN に切り替わり、攻撃を軽減できます。

コンテンツ最適化: 複数の CDN を使用することにより、ウェブサイトは数種類のコンテンツを、CDN の強みに基づき、別々の CDN に割り振ることができます。例えば、動画のストリーミングに適している CDN もあれば、画像や JavaScript ファイルなどの静的コンテンツの配信に適している CDN もあるでしょう。

マルチ CDN を実装すべき理由

企業がマルチ CDN 戦略を実装すると、ウェブサイトのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを大幅に向上できます。コンテンツを複数の CDN プロバイダーに割り振ることにより、ウェブサイトのダウンタイムのリスクを軽減し、レイテンシーを減らし、可用性を高めることができます。さらに、リアルタイム分析に基づき、CDN プロバイダーを切り替えてトラフィック分散を調整できる柔軟性があるため、コストとパフォーマンスをさらに最適化できます。

ウェブサイトのパフォーマンスを次のレベルに引き上げることに関心がある場合は、マルチ CDN 戦略の実装を検討し、貴社のビジネスにもたらされる効果をご確認ください。カスタムデモを今すぐ申し込み、デジサート Constellix DNS がユーザーエクスペリエンスをどのように変えることができるかご確認ください。