Device trust 10-02-2025

CRA対応を推進するIoT分野のパートナーシップ

Kevin Hilscher
Device Trust CRA Story Blog Hero

コネクテッドデバイスは、病院での患者モニタリング、スマートグリッドでのエネルギー管理、自動運転車の制御、家庭のセキュリティなど、あらゆる場所で活用されています。各デバイスには革新の物語があります。しかし、欧州連合(EU)では、その次の章が「サイバーレジリエンス法(CRA)」によって定義されようとしています。

2027年までに、CRAの要件はEU市場に流通するほぼすべてのコネクテッド製品に適用されます。医療機器から製造業、自動車、スマートインフラまで、準拠は市場参入の新たなパスポートとなりつつあります。

CRAがIoTコンプライアンスの常識を変える理由

CRAは、設計段階から長期的なアップデートサポートまで、デバイスライフサイクル全体を対象とする22の付属書I要件を導入します。安全な設計・提供、パッチ管理、脆弱性対応などを含む包括的な義務です。

IoTや医療機器メーカーにとって、これは次のことを意味します。

  • 市場参入条件としてのサイバーセキュリティ: デバイスはEU市場に投入する前にセキュリティを証明する必要があります。
  • 継続的な説明責任: 規制当局は、どの段階でも準拠記録の提出を要求できます。
  • 重大な影響: 非準拠は市場撤退や最大1,500万ユーロまたは全世界売上高の2.5%の罰金につながる可能性があります。

CRAは、サイバーセキュリティとコンプライアンスを、すべてのデバイスにおける「信頼の物語」の中核に位置づけます。もはや「最後にチェックする項目」ではなくなりました。

IoTコンプライアンスの複雑さ

単体の医療機器とは異なり、IoTエコシステムは広範で複雑です。デバイスはクラウドサービス、モバイルアプリ、サードパーティソフトウェアと連携し、業種や国境を越えたリスクのサプライチェーンを形成しています。

CRA対応を実現するには、IoTメーカーは次を証明する必要があります。

  • 製造段階からの信頼されたID: 製造時に安全な認証情報を付与すること。
  • ライフサイクル全体のレジリエンス: セキュアなOTA(無線)アップデート、パッチ管理、SBOM検証の実装。
  • 監査可能な証拠: デバイスライフサイクル全体を反映する準拠記録を保持すること。

つまり、IoTコンプライアンスとは単一のデバイスではなく、エコシステム全体を保護することを意味します。

デジサート、Concept Reply、Digital Replyによるメーカー支援

CRA要件の達成は単独では困難です。IoTメーカーは、製造時点でのセキュリティ組み込みから、製品ライフサイクルを通じた準拠証明まで、多面的な課題に直面します。ここでパートナーシップが重要な役割を果たします。

デジサートはその基盤を提供します。Device Trust ManagerTrustCore SDKDigiCert ONEプラットフォームなどのソリューションにより、メーカーは信頼されたIDの組み込み、アップデートの検証、SBOMの生成、準拠記録の維持を初日から実現できます。これにより、すべてのデバイスがセキュリティを内包した状態で出荷されます。

Concept ReplyDigital Replyは現場の専門知識を提供します。自動車、医療、製造、スマートインフラなどの分野で数十年の経験を持つ両社は、コンプライアンス要件を実運用へと落とし込むノウハウを有しています。彼らは、デジサートのセキュリティ基盤を複雑なIoT環境へ統合し、フィールドでの検証を支援し、デバイスが発売後も継続的に準拠を維持できるようサポートします。

デジサート、Concept Reply、Digital Replyの3社は、単なる個別ソリューションではなく、メーカーがCRA準拠を実現しながら革新を継続できる道筋を提供します。これにより、業界全体のコネクテッドデバイスが市場対応だけでなく、将来にも通用する信頼性を確保します。

次章へ

CRAは単なる規制ではなく、IoTの転換点です。設計と導入の段階からコンプライアンスを組み込むことで、メーカーは要件を満たすだけでなく、顧客・規制当局・パートナーから長期的な信頼を得ることができます。

DigiCert、Concept Reply、Digital Replyと共にIoT準備戦略をさらに深く探るには、共同ウェビナー「EU CRA Unpacked: Solutions for Market-Ready IoT Devices」をご覧ください。