※本プレスリリースは、2025年12月4日に米国ユタ州リーハイで配信されたプレスリリースの抄訳版です。
― AI時代の真正性、量子コンピューター対応、証明書ライフサイクル短縮がもたらす
“新しいデジタルトラストの姿” ―
デジタルトラストの世界的リーディングプロバイダーである米デジサート・インク(本社:ユタ州リーハイ、非公開企業、以下デジサート)は、2026年のセキュリティトレンドを示す年次の「2026年セキュリティ予測レポート」を発表しました。本レポートは、AI、量子コンピューター、証明書の自動化の進化がいかに世界的なトラストの枠組みを再構築していくか洞察を提供します。今回の予測では、デジタルトラストの中核的要素として、AIの完全性、レジリエンス(回復力)、耐量子コンピューター暗号対応への準備が重要な転換点となることが強調されています。
デジサートの新年に向けた予測と展望は、ブログで全文公開されています。
1. AI時代の真正性が新たなトラスト基準に
AIの真正性が企業の最重要トラスト要素となり、組織はあらゆるAIモデル、データセット、自律エージェントに対してIDと来歴管理が必須となります。
2. レジリエンスが新たなコンプライアンス要件に
レジリエンスは、デジタルオペレーショナルレジリエンス法案(DORA)や新しい世界的基準の厳格化を受け、ITの目標から経営責任へと認識が移行します。組織は、自社のDNS、ID、証明書システムが障害に耐えうることを証明しなければならなくなり、稼働時間や復旧能力が財務的および事業的な安定性に直結します。
3. 証明書のライフサイクル短縮による自動化の急加速
TLSサーバ証明書の有効期間が47日へ短縮される過程で、200日に短縮されることにより、手動更新に伴う作業負荷は倍増します。組織は、障害を排除し自己修復型のトラストエコシステムを構築するため、フルスタックの自動化を導入していきます。
4. 量子コンピューティングが暗号に警鐘を鳴らす
暗号を解読する能力はないものの、課題を解決できる最初の実用的な量子コンピューターが登場するでしょう。初期の耐量子コンピューター暗号のパイロット導入を開始する組織は、証明書およびソフトウェアエコシステムがアルゴリズムに適応する過程において相互運用性の課題が顕在化し、そのハードルが明らかになるでしょう。
5. コンテンツ真正性は理念から政策へ
各国政府や主要なプラットフォームが、AI生成や編集コンテンツに対してC2PA(コンテンツ真正性保証)の適用を開始するでしょう。ニュース、SNS、および商取引全般での配信には、電子透かし技術や暗号的な来歴証明が必須となるでしょう。
6.ポストChrome時代に向けたフェデレーテッドPKIの再構築
レガシー認証方式の終息に伴い、企業はクラウドネイティブ・パスワードレスへ移行します。Chromeが従来のクライアント認証を段階的に廃止し、Microsoftが古い認証局アーキテクチャを終了する中で、組織におけるプライベートPKIの近代化が喫緊の課題になっています。ID検証は、クラウドネイティブ、自動化、そしてパスワードレスのトラストモデルへと移行するでしょう。
7. 信頼されるEメールの再定義:認証済みのIDが主導
AIを利用したフィッシング攻撃の増加により、組織は認証マーク証明書(VMC)および厳格なDMARC運用を標準化するようになるでしょう。送信者の認証されたIDが、企業グレードのの安全なコミュニケーションにおける期待値となります。
8. マシンIDは人間の100倍になり、PQCは義務化へ
接続されたデバイスやAIエージェントは、人間のIDの数を二桁上回るでしょう。耐量子コンピューター暗号(PQC)に対応したIDフレームワークは、各標準化団体が標準としてデバイスエコシステムに組み込むことで、必須となります。
デジサートの最高技術責任者(CTO)であるジェイソン・サビン(Jason Sabin)は次のように述べています。
「2026年のセキュリティとは単にシステムを守ることではなく、あらゆるデジタル通信の真正性を証明することです。企業が自動化、来歴証明、耐量子コンピューター暗号への対応をいち早く進めることで、次の10年のデジタルトラスト基盤を形づくることができます」
デジサート(DigiCert、Inc.)について:
米デジサート・インク(本社:ユタ州リーハイ、非公開企業)は、インターネット上で人と企業が電子的な信頼でつながることができるようにする、デジタルトラストの世界的なリーディング・プロバイダーです。そのデジタルトラストを強固にするプラットフォームがDigiCert® ONEです。パブリックトラストとプライベートトラストの幅広いニーズをめぐって一元的な可視化と制御を実現し、ウェブサイト、企業のアクセスと通信、ソフトウェア、ID、コンテンツ、デバイスを保護します。デジサートは、受賞歴のあるソフトウェアと、標準、サポート、運用に関する業界のリーダーシップとを結び付けており、全世界の主要企業に選ばれるデジタルトラストプロバイダーです。
また、デジサート・ジャパン合同会社は、⽶デジサート・インクの100%間接保有⼦会社です。
最近のデジサートに関するニュースや情報は、デジサートのwebサイトhttps://www.digicert.com/jp/news#pr、もしくは@digicert(英語)をご覧ください。