モノのインターネット (IoT) 03-14-2024

デジタルトラストが糖尿病ケアにもたらしている大変革

Robyn Weisman
Diabetes Blog Hero

デジサートのデジタルトラスト担当バイスプレジデント、Mike Nelson は、糖尿病を抱えて生活することがいかに大変かをよく知っています。Mike は十代のときに、1 型糖尿病(T1D)と診断されました。医療ケアチームは Mike に血糖モニター、インスリン、注射器を渡し、複雑な慢性疾患を管理する状況に Mike を置きました。

「自分はまるで針山のような気分でした。1 日に 7~10 回指を刺し、それと同じ回数のインスリン注射を受けていたからです。毎晩、就寝時に、血糖値が安定して何事も起こらないように祈っていたものです」と、Mike は述べています。

スマートなインスリンポンプ、持続血糖モニタリング(CGM)、ペースメーカーなどの接続された医療機器(IoMT)によって、Mike のような患者の境遇は改善されましたが、これらのテクノロジーの登場によって脅威にさらされる医療機器も大幅に増加しました。

これは、デジタルトラストの構築によってのみ対処できる問題であり、デジサートにおいて Mike が率いるチームが IoMT メーカーと一緒にその解決に取り組んでいます。

信頼のできない医療機器がもたらす危険な影響

医療機器メーカーは、血糖値管理とインスリン投与を容易にする画期的な方法を開発しました。持続血糖モニタリング(CGM)システムは、皮下に挿入されたセンサーと、送信機、小型受信機を使用して血糖値をリアルタイムに測定します。

今日のスマートなインスリンポンプは、CGM システムと連携して適量のインスリンを自動的に予測し、投与します。インスリンポンプと関連付けられたアプリが投与量を見積り、正確に変更します。

これらの医療機器は、Mike のような糖尿病患者の生活を一変させました。インスリンポンプを同じ場所に装着しておけば、毎日の注射は不要になるからです。

キャリアの大半をメーカーのコネクテッドデバイスのセキュリティの支援に費やしてきたセキュリティ専門家である Mike は、その潜在的な脆弱性に懸念を抱くようになりました。

「CGM を使い始め、治療でインスリンポンプに接続するようになったとき、セキュリティについて考えざるを得ませんでした。ハッカーはインスリンポンプをコントロールできるのか? 血糖値の測定値が改ざんされる可能性はあるか? そのような危殆化の結果はどうなるのか?といった疑問が頭に浮かびました」

医療機器メーカーが直面するセキュリティ上の課題

CGM システムとインスリンポンプの連携のためには、中継されるデータを信頼する機能のほか、このデータにアクセスする機器のアイデンティティを信頼する機能が必要です。つまり、これらの機器に適切な認証手段が実装されている必要があります。また、機器のクローニングを防止する必要があります。

IoMT メーカーは医療機器がもたらしうるセキュリティリスクを十分認識しています。CGM の最近のイノベーションであるクローズドループインスリンシステムについて紹介します。このシステムは、CGM とユーザーのインスリンポンプを接続し、ポンプが自律的に血糖値を検出、調整できるようになっています。また、これらのテクノロジーの多くはスマートフォンアプリやスマートウォッチアプリにも対応しており、患者が血糖値をリアルタイムでチェックできるのが特長です。

ただし、これらのプロセスの複数のポイントで、脅威アクターがシステムに侵入し、ユーザーが微調整したアクションを改ざんする恐れがあります。結果として、デジタルトラストは、医療機器メーカーにとって欠かせない要素となっています。医療機器メーカーは、ユーザーがデリバリーエコシステムの一部であるシステム、機器、データの侵害を心配しなくて済むように、高度なセキュリティ制御を実装する必要があることを理解しています。

IoMT テクノロジーにデジタルトラストを組み込む

デジサートにおいて、Mike が率いるチームが IoMT メーカーと連携して、デバイストラストの管理とデジタルエコシステム全体のセキュリティ確保に取り組んでいます。糖尿病管理の観点からすると、これは数百万台の CGM との間で信頼性の高いアイデンティティを確立し、多数のポンプメーカーと連携することを意味します。

糖尿病患者は、信頼できるインスリン投与と CGM システムを必要としています。不必要なリスクをもたらすコネクテッドデバイスは、メリットにかかわらず、使用価値はありません。血糖値が正確であると信じられなかったり、インスリンポンプのセキュリティに不安を感じたりすることは、指の穿刺の痛み以上に重大な問題です。

真正性およびアイデンティティ管理により、新たな規制ガイドラインを遵守し、偽造と改ざんを防止することについて、エンドユーザーは医療機器メーカーに依存しています。「機器のセキュリティのことまで心配したくはありません。それが患者の役目であってはならないのです」と、Mike は述べています。

Mike Nelson 自身は、機器メーカーの成功のために力を注いでいます。それらの機器メーカーの製品が彼の人生を変え、今は彼の子供の人生を変えているからです。彼の娘は数年前に、1 型糖尿病(T1D)と診断されました。それでも、糖尿病患者の親として娘の血糖値を常にモニターできるので安心していられます。彼がメーカーと共同で開発したセキュリティ機器は、異常があればリアルタイムに通知を届けてくれます。

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