セキュリティ 101 05-24-2023

この夏の旅行の(サイバー)セキュリティ対策

Dean Coclin
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新型コロナウイルス感染症のパンデミックが収束し、旅行制限が世界的に解除されたため、2023 年の世界の観光産業は 30% 成長すると予想されています。ビジネスや観光で海外に出かける旅行者が増加すると、格好のターゲットを求めているサイバー犯罪者も増加する可能性が高くなります。

以前は、旅行に出かける際は玄関のドアに鍵をかけることだけを気に懸けていたものです。しかし今は、個人データの盗難を防ぐために、インターネットに接続しているあらゆるものに「鍵をかける」ことに気を使う必要があります。データ侵害について学ぶことは、旅行から切り離せなくなっています。個人デバイスの保護から、旅行中のサイバー脅威の回避まで、安全で楽しい旅のために講じることができる対策は多数あります。こうした対策に加えて、スマートホームを Matter プロトコルで保護すると、留守中のデバイスセキュリティを強化できます。

デジサートは、現実世界の個人と企業をサイバー脅威から守るためにデジタルトラストソリューションの提供に力を尽くしています。そのため、この記事では、この夏の旅行時に自宅と旅行先の両方で現実世界のデータをサイバー犯罪者から守るためのヒントをいくつか紹介します。ビジネス旅行者か夏の観光旅行者かに関わらず、旅行のセキュリティ対策のための 5 つのヒントがあります。

1. 旅行の予約を安全に行う – 偽のウェブサイトやフィッシング、あまりにも話がうますぎる提案に引っかからないようにする

旅行と宿泊をオンラインで予約するときは、詐欺サイトやフィッシング詐欺に引っかからないようにすることが重要です(こちらの偽のウェブサイトを見破る方法を復習してください)。詐欺サイトを見分けるために、ユーザーは何ができるでしょうか? とにかく調べることです。また、ウェブサイト、ソーシャルネットワーク、アプリケーションを参照するときは用心することも重要です。知らないウェブサイトや疑わしいウェブサイトのファイルを開いたりダウンロードしたりしないこと、またフィッシング詐欺が増加しているため、ソーシャルネットワークやメッセージアプリケーションで送信されてきたリンクをクリックしないことをお勧めします。

フィッシングは、ソーシャルエンジニアリングでよく用いられる手法の 1 つで、その被害額は年間 20 億ドルに上ると推定されています。この種の攻撃は、パンデミック以来、大幅に増加しました。フィッシング攻撃では、信頼できる情報源からのように見えるけれども実際には個人情報を盗む詐欺メールがユーザーに届きます。あまりにも話がうますぎる提案メールはすべて疑いの目で見ることです。疑わしい E メールのリンクをクリックしたり、知らない文書をダウンロードしたりしてはいけません。販売や購入の機会を確認するには、信頼できる情報源のみを使用してください。個人情報や財務情報を E メールで伝えたり、そうした情報のリクエストに応じたりしてはいけません。復習が必要な場合は、フィッシング詐欺を防ぐための 10 のヒントをご覧ください。

2. パーソナルデバイスの準備を整える

旅行に出かける前に、携行するノートパソコン、スマートフォン、タブレットなどのデバイスを保護するために講じるべき重要なセキュリティ対策がいくつかあります。強力なパスワードと二要素認証を使用することから始めます。強力なパスワードの設定と管理にはパスワードマネージャーも役立ちます。パスワードマネージャーには、パスワードがどの程度セキュアであるかを通知し、同じパスワードを使い回している場合や、パスワードが侵害された場合に報告する機能があります。

また、公共の Wi-Fi ネットワークにアクセスするときは、仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用することも検討してください。VPN はデータを暗号化します。一部の VPN には電子証明書をチェックする機能もあります。電子証明書は、ユーザーがアクセスしたウェブサイトが偽物の場合に本物のウェブサイトにリダイレクトします。一部の国では禁止されているウェブサイトやアプリにアクセスするために VPN が必要となるため、そのような国を旅行する際にも VPN は役立ちます。最後に、ソフトウェアとオペレーティングシステムを最新の状態に保つことで、サイバー犯罪者が悪用できる脆弱性を回避できます。

3. Matter でスマートホームを守る

Matter は、スマートホームの大手企業が集まり、コネクテッドデバイスのセキュアで信頼性の高い相互運用のための業界標準を策定する初の試みです。Matter により、消費者は、家庭のあらゆる Matter 準拠デバイスを、ブランドに関わらず、自分で個々の製品を選び、制御できるようになりました。閉鎖的なエコシステムは不要です。さらに、Matter はスマートホームセキュリティを強化します。Matter 準拠デバイスを販売するメーカーは、デバイス認証証明書の取得を含む一定の要件を満たすことが義務付けられているためです。

外出中、Matter 準拠のすべてのスマートホームデバイスを、Siri、Alexa、または Google Home アプリで管理できます。対象は Apple、Amazon、Google デバイスのみに限定されません。何百もの企業が Matter に関わっており、デジサートは、Connectivity Standards Alliance(CSA)が提唱する標準のセキュリティ関連部分の策定において重要な役割を果たしました

世界のどこにいても、照明、ドアロック、冷暖房、ホームセキュリティ、スマートスピーカーなどを、自分が選んだコントローラからすべて制御できます。それぞれに個別のアプリは必要ありません。Matter でスマートホームデバイスを守ることにより、住宅の持ち主は、留守中にサイバー脅威から自宅を守りながら、スマートホームをより賢く使いこなすことができます。

4. 旅行中、常に用心する

旅行中、パスポート、財布、スマートフォンなどの物理的な持ち物を守ることが重要です。仕事用のノートパソコンと機密データのセキュリティを確保し、データと ID の盗難を防ぐ必要があります。ホテル、空港、カフェなどで Wi-Fi に接続するとき、攻撃を受けやすくなる可能性があります。矛盾しているように思われるかもしれませんが、個人データ、特に銀行口座情報の入力を求められるサイトにアクセスするときは、ホテルの Wi-Fi を使用することは避けてください。公共の Wi-Fi ネットワークに接続するときは用心し、オープンネットワークを信頼しないでください。可能な場合は、代わりにスマートフォンをホットスポットとして使用します。公共の Wi-Fi ネットワークに接続するときは VPN を使用することにより、インターネットトラフィックを暗号化し、サイバー犯罪者が個人情報を盗むのを防止できます。また、フィッシング詐欺やマルウェアなどのサイバー脅威には常に用心してください。

5. 帰宅後もセキュリティを確保する

旅行から帰宅したら、個人アカウントとクレジットカード明細に疑わしいアクティビティや不正な請求がないか確認します。パスワードを変更し、クレジットカード明細書を確認することにより、個人情報を保護します。最後に、疑わしいアクティビティや不正な請求があれば、金融機関や信用調査機関に報告してください。

まとめ

結論として、旅行はエキサイティングで気分転換になるとはいえ、休暇中にサイバー犯罪者があなたの ID や機密情報を盗んだことを知る事態は避けるべきです。対策を講じて、データが盗まれるリスクを最小限に抑えましょう。安全な旅を!

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