モノのインターネット (IoT) 11-23-2022

Matter準拠デバイスの登場でスマートホームをより賢くする

デジサート
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スマートホームは生活をより楽にしてくれるはずですが、スマートホームデバイスを買うたびに独自のアプリで管理する必要が生じるため、消費者は各デバイスの管理にかなりの手間をかけていました。Google 製のスマートホームデバイスを Siri で、Samsung 製のスマートホームデバイスを Alexa で使えたらどんなに良いか想像してみてください。Matter の登場でこれが可能になりました。消費者は、家庭であらゆる Matter準拠デバイスを操作できるようになりました。これは、どのブランドでも可能なため、自分の好きな製品を選択することができます。閉鎖的なエコシステムは不要です。

スマートホームデバイスの多くはこの時期に購入されるため、多くの消費者にとって Matter準拠デバイスを購入する最初の機会になります。現在どのデバイスが Matter 対応で、どのデバイスが実際に活用されているかについて、デジサートには質問が寄せられています。このブログ投稿では、これらの質問に答えていきます。

Matter とは何か

Matter は、スマートホームデバイス、モバイルアプリ、クラウドサービスに対して安全で信頼できる相互運用性の規格を提供するための初めての取り組みです。これは、既存のプラットフォームに取って代わるものではなく、デバイスとプラットフォームプロバイダーが安全かつ信頼性の高い方法で通信する共通の手段を提供します。

CSA(Connectivity Standards Alliance)がスポンサーとなって、大小何百もの企業が Matter の推進にかかわっており、デジサートもこの規格のセキュリティ関連の側面を開発するうえで重要な役割を果たしました。このような幅広いサポートにより、あらゆるデバイス、アプリ、プラットフォームがシームレスに連携することが保証されます。さらに、Matter は世界中どこでも提供され、オープンソース規格です。

どのメーカーが Matter をサポートしているか

Matter をサポートするメーカーの数は 300 を超えており、その推進企業には、Amazon、Apple、Google、Samsung など、スマートホーム分野における有数の企業が含まれます。Matter 1.0 のリリース以降、新たに 20 社がプロジェクトに参画しました。Matter の導入が進むにつれ、この規格は IoT デバイスメーカーにとって、競合との主要な差別化要因になります。そのため、近い将来、世界中のさらに多くのメーカーが Matter を導入していくものと見ています。

現時点ではどのスマートホームデバイスが Matter-Trusted であるか

現在、Matter 認定を受けているのは 190 種類のデバイスで、認定を受けるデバイスは今後も増えていきます。

現在 Matter をサポートするデバイスの種類は以下のとおりです。

  • 照明製品(スマートプラグ、電球、スイッチ)
  • ドアロック
  • サーモスタット
  • 冷暖房
  • ネットワークおよび WiFi ルーター
  • モーションセンサー
  • ブラインドとシェード
  • ホームセキュリティ
  • テレビ
  • スマートスピーカー

詳細なリストは、https://matter-smarthome.de/en/overview-products-compatible-with-matter/ をご覧ください。Matter 対応 Google デバイスについては、https://developers.home.google.com/matter/supported-devices をご覧ください。

家庭にある既存デバイスについてはどう対応するか

多くのデバイスについては、ソフトウェアアップデートをすることで Matter 認定を受けられます。Apple 製のデバイスはこれに当てはまります。10 月のリリースでは、iOS 16.1 と watchOS9.1 へのアップデートが提供されました。Matter があらゆる場所に普及するまでは時間がかかるものの、この規格は将来的には標準規格になることが予測されます。

家庭内のデバイスに Matter を導入するためのアップデートは以下のとおりです。

  • Apple iOS 16.1 デバイスおよび watchOS9.1 — 2022 年 10 月
  • Amazon Echo(第一世代 Echo および Echo Dots を除く)— 2022 年 12 月予定
  • Eve デバイス — 2022 年 12 月予定
  • Aqara ハブ — 2022 年 12 月
  • Amazon Thread on Echo および Eero メッシュルーター — 2023 年予定
  • Aeotec および Samsung SmartThings ハブ(V2 以降)— 近日予定
  • Google Nest スマートスピーカーとディスプレイおよび Google Home — 近日予定
  • Google Nest WiFi — 近日予定
  • Google Nest Thermostat — 近日予定
  • Ikea Dirigera スマートホームハブ — 近日予定
  • Philips Hue スマートライト — 近日予定
  • Schneider Electric Wiser ゲートウェイおよびスマートプラグ — 近日予定
  • Yale Assure および Assure 2 スマートロック — 近日予定
  • TP Link

どのデバイスが Matter 対応になる予定か

Matter 対応になる予定のデバイスは以下のとおりです。

  • セキュリティカメラ
  • スマートスピーカー
  • ロボット掃除機
  • ガレージドアコントローラ
  • 空気質センサー
  • 煙と一酸化炭素検知器
  • モーションセンサー
  • ホームアプライアンス

Matter ではセキュリティとプライバシーがどのように確保されるか

Matter はデバイスの管理を簡単にするだけでなく、スマートホームのセキュリティ向上にもつながります。Matter準拠デバイスを販売しているメーカーは、DAC(Device Attestation Certificates)の取得をはじめ、一定の要件を満たすことが求められます。デジサートは現在、メーカーとデバイスのIDを認証する DAC を発行しています。

デバイスの証明は、Matter準拠デバイスには欠かせないプロセスで、以下の 3 つの主要な方法で安全な相互運用性を実現します。

  1. デバイスが信頼できるメーカーの製品であることを保証し、
  2. 追跡と特定ができるように強固なアイデンティティをデバイスにインストールした後、
  3. 検証され認証された接続を有効にします。

つまり、デバイスに Matter ロゴが付いている場合、そのデバイスは Matter準拠に認定されるのに必要な要件を満たしており、他のデバイスと安全かつシームレスに連携できることが分かります。

スマートホームに向けた最善のセキュリティプラクティスに従って新しいデバイスを設定することで、スマートホームより賢くなりましょう。

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