デジタルトラスト 05-24-2023

Web3 の時代におけるデジタルトラストの重要性 

Dr. Avesta Hojjati
The Importance of Digital Trust in The Era of Web 3

良くも悪くも、今日の生活のあらゆる側面は、デジタルで接続されています。日常の社交から職場、ヘルスケアデバイスの接続まで、多岐にわたります。しかし、常にオンラインで関わり合う中、デジタル世界に自分が残す痕跡のセキュリティが確保されていることは、どうしたらわかるでしょうか?

信頼、特にデジタルトラストを確立することは、コネクテッド社会において不可欠です。Web3 の時代に移行するにあたり、これはますます重要になります。インターネットが進化し続ける中、私たちは分散化とブロックチェーンテクノロジーの利用への移行を目の当たりにしています。それはセキュリティと透明性がさらに重視されることにつながります。

Web3 とは

Web3 は次世代のインターネットです。データは分散管理され、ユーザー自身によって所有されます。個人に権限が与えられ、ピアツーピア方式でセキュリティが強化され、信頼が醸成されます。これまでのインターネットとは異なり、Web3 は、ブロックチェーン、分散型台帳テクノロジー、およびスマートコントラクトを活用し、透明性が高く検証可能な耐改ざん性のデジタルインフラストラクチャを確立します。また、ユーザーはデータに対する所有権と制御を取り戻し、プライバシーと自律性を醸成できます。

Comparison between Web 1, Web 2 and Web 3
図 1 – Web1、Web2 と Web3 の比較

デジサートは、Web3 の出現をデジタル環境における画期的進化として認識しています。しかし、デジサートは、デジタルトラストのリーディングプロバイダーとして、Web3 でのオンラインインタラクションがセキュアで有効であるという確信を築くことは、Web2 の場合と同様に不可欠であることも認識しています。ウェブが進化するにつれて、脅威も進化します。デジサートは、Web3 テクノロジーのセキュアで信頼できる実装をどのようにサポートできるかに関心を持っており、個人と組織がこのインターネットの新時代を、自信を持って受け入れられるようにすることを約束します。

分散管理で信頼が高まる

現在の Web2 では、データが一元管理され、多くの場合、ユーザーは情報のセキュリティと完全性の確保を第三者に依存しています。データ侵害で機密情報が危殆化される事例が多発してきました。例えば、2017 年の Equifax の侵害は注目を集めました。デジサートは、こうした侵害を以前から追跡しており、毎月、最新ニュースのまとめで事例を紹介しています。こうした侵害は起こりがちですが、企業には、侵害発生のリスク緩和のために講じることができる対策があります。しかし、個人が自分のデータを制御することはほとんどできていません。

一方、分散管理型システムでは、中央集権機関によってではなく、暗号化方式とコンセンサスメカニズムによって、信頼が確立されます。つまり、ユーザーは自分のデータを制御できる権限が大きくなり、情報のセキュリティと完全性の確保について第三者への依存度が低くなります。このシナリオでは、ユーザーはデータをより適切に保護し、ID の盗難と詐欺を防ぐことができます。ただし、ユーザーは自分のデジタル IDの保護について、より大きな責任を負うことにもなります。ユーザーは自分のデータの保護、秘密鍵の安全な保管、セキュリティのベストプラクティスの順守に注意を払う必要があります。

ブロックチェーンでセキュリティと透明性が向上する

ブロックチェーンテクノロジーの使用は、Web3 でのデジタルトラストの確立においても重要な役割を果たします。ブロックチェーンでは、トランザクションが不変的な方法で記録されるため、第三者による変更や破棄は不可能です。ブロックチェーンは、透明性のあるセキュアなトランザクションを可能にする分散型台帳テクノロジーです。各トランザクションがブロックに記録され、ブロックのチェーンに追加され、すべてのトランザクションの不変的レコードが作成されます。そのため、誰かがデータを改ざんすることは極めて困難です。変更内容は、ブロックチェーンのすべてのユーザーに直ちに明らかになります。この透明性とセキュリティにより、ブロックチェーンはユーザー間の信頼構築の選択肢となっています。

ウェブが進化するにつれて、攻撃者も進化する

この数十年間にわたる Web1 と Web2 の時代に見られてきたように、意欲的な攻撃者は脆弱性の存在を悪用する方法を見つけます。これは Web3 にも当てはまります。攻撃者はブロックチェーンテクノロジーへの攻撃を既に開始しています。注目すべきは、暗号通貨への投資家が増加するにつれて、攻撃者にとっての旨味も増していることです。2012 年以降、暗号通貨取引所から盗まれた金額は 30 億ドル近くにのぼりました。パンデミックが始まって以来、十数件の攻撃が発生し、2020 年 4 月以降の損失額は 5 億ドルを超えています。暗号通貨を盗む方法はさまざまです。パスワードの盗難または推測から、暗号通貨取引プラットフォームのハッキング、フィッシング詐欺まで、多岐にわたります。最も一般的な攻撃方法は、暗号通貨ウォレットから秘密鍵を盗むというものです。すべての種類の攻撃を完全に防御するのは不可能かもしれませんが、暗号通貨を守り、リスクレベルを下げるために講じることができる対策はいくつかあります。こちらの過去のブログ記事でご紹介しています。

デジタルトラストは新たな標準になる

まとめると、Web3 は信頼性、透明性、セキュリティを強化する可能性がある一方、ユーザーは個人情報とデジタル ID を制御できる権限が大きくなります。デジタルトラストは、Web2 以降、オンラインインタラクションを保護する基本要素になっています。Web3 の時代に移行し、よりセキュアで透明性の高いインターネットを目指すにあたり、引き続きデジタルトラストに重点的に取り組むことが重要です。

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