デジタルエコシステムはますます複雑化しており、公開鍵基盤(PKI)の管理はこれまで以上に重要で、コストも増加しています。つまり、モダナイゼーションは単なる技術的なアップグレードではなく、今や戦略的な必要性となっています。
PKI のモダナイゼーションの価値をより深く理解するために、デジサートはフォレスター・コンサルティング社と提携し、DigiCert ONE に焦点を当てた Total Economic Impact™(TEI)調査を実施しました。この分析は、複数の業種にわたる5社の企業顧客への詳細なインタビューに基づいています。フォレスターはこれらの知見をもとに、20万件のデジタル証明書を管理する企業を想定した「複合組織」を構築し、3年間にわたるコスト、利益、ビジネス成果をモデル化しました。
これは予測ではなく、IT およびセキュリティリーダーが自社インフラにおける PKI モダナイゼーションの潜在的な影響を評価するための意思決定ツールです。
公開鍵基盤は長年にわたりデジタルトラストの基盤として、接続の保護、機密データの暗号化、ユーザやデバイスの認証を支えてきました。しかし、これまでバックグラウンドで機能していた技術が、今では企業セキュリティ戦略の中心的存在となっています。
環境は劇的に変化しています。ゼロトラストフレームワークは、継続的な認証とより強力なアイデンティティ保証を要求しています。企業は、AI によって動作するエージェントがネットワーク全体で活動する未来に備えており、それぞれが検証され、信頼される必要があります。一方で、量子コンピュータの脅威が迫る中、組織はシステムの暗号基盤を再評価する必要に迫られています。
さらに課題を複雑にしているのが、証明書の発行数の増加と有効期間の短縮です。CA/Browser Forum は、公開 TLS 証明書の有効期限を 398日から47日 に短縮することを 2029 年までに義務化しており、更新頻度は約8倍になります。自動化なしでは、このペースの更新管理はほぼ不可能であり、停止やコンプライアンスギャップ、運用の遅延などのリスクが高まります。
従来の手動 PKI 管理ツールは、このようなスケールやスピードに対応できません。現代の PKI は、俊敏性と自動化、そしてレジリエンスを備え、現在の要求と将来の変化に対応できるよう設計されている必要があります。
フォレスターの複合組織モデルによる3年間の結果は、非常に印象的なものでした。

その成果を支えた具体的な改善点を以下に示します。

ROI に注目しがちですが、その背後にある真の推進力は「時間」です。フォレスターの調査では、複合組織が PKI モダナイゼーションを通じて大幅な時間削減を実現したことが示されています。
証明書の発行と更新を自動化することで、16万時間以上の手作業が不要になりました。さらに、監査準備の効率化、セキュリティインシデントの削減、開発サイクルの短縮などの効果を加えると、合計で20万時間以上の時間削減が3年間で達成されました。
この削減時間は単なるコスト削減にとどまりません。IT およびセキュリティチームは、日々のトラブル対応から解放され、組織全体のセキュリティ強化とアジリティ向上といった戦略的な取り組みに注力できるようになりました。
すべての利益がコストモデルに明確に表れるわけではありません。しかし、それでも価値がないということではありません。フォレスターのインタビューでは、時間やコスト削減を超えた多様な利点が指摘されました。
これらの成果は、断片的で手動による証明書管理から、モダンなデジタルトラストプラットフォームに基づく統合的で自動化されたアプローチへの変革を示しています。
各企業の状況は異なりますが、多くが共通する課題に直面しています。証明書の有効期間の短縮、厳格化するコンプライアンス要件、そして複雑化する環境です。フォレスターの Total Economic Impact™ 調査は、PKI モダナイゼーションを通じて効率化、リスク軽減、価値向上を実現するための構造化されたデータドリブンアプローチを提供します。
これは画一的な設計図ではなく、各組織のニーズや課題に合わせてモダナイゼーション計画を策定するための柔軟なモデルです。
フォレスターの調査結果は、IT リーダーの間で広がる共通認識を裏付けています。すなわち、手動で旧式の公開鍵基盤の運用が企業成長を阻害しているということです。DigiCert ONE はその課題を解決するために構築されており、今日の運用要件を満たすと同時に、将来のセキュリティ環境に備える統合型でスケーラブルなプラットフォームを提供します。
完全版の TEI 調査 (英語)をご覧になり、貴社の環境でどのようにモダナイゼーションを実現できるかをご確認ください。