2019 年に CNN は、デジサートからの認証マーク証明書(VMC)認定を受ける最初の大手メール送信者になりましたが、それ以降、メールセキュリティの世界は多くの変化を遂げてきました。現在では、主要なウェブメールプロバイダの多くが BIMI と VMC をサポートしており、これにより受信者の受信ボックスに、送信者を表す認証されたロゴが表示されます。信頼できる送信者であることを顧客に示すために、多くの企業は、VMC や関連するドメイン認証に投資しています。
VMC の資格を得るには、商標ロゴと、コンプライアンスに違反するメールを拒否したり、検疫したりする DMARC ポリシー対応のドメインが必要です。これは、VMC 認定を受ける前にいくつかの手順を踏まないといけないことを意味しますが、いち早く VMC を導入した企業は、ロゴ付きのメールの送信を始めた結果、エンゲージメントが 10% 増加したことを報告しています。
VMC が必要な理由は明白です。自社ロゴを表示することでブランドの印象が大きく向上し、フィッシングやなりすまし詐欺から顧客を保護することができます。しかし、VMC は何枚必要なのでしょうか。また、複数の VMC を持つことでブランド価値のさらなる向上にどのようにつなげることができるでしょうか。
組織ごとにメールやドメインの構造は異なります。企業が所有するのが 1 つのメールドメインと 1 つのロゴの場合、VMC は 1 つで十分でしょう。複数のメールドメインと 1 つのロゴの場合も、VMC は 1 つで対応できるかもしれません。
しかし、複数のロゴの場合は、使用するメールドメインの数にかかわらず、ロゴことに VMC が必要になります。
想定できるいくつかの組織構造とその VMC 要件について、次の図に示します。
いくつかのサンプルシナリオとそれぞれで必要とされる VMC の数について、さらに詳述していきます。
VMC は、BIMI (Brand Indicators for Message Identification、メッセージ識別用ブランドインジケーター)規格の一部です。このメール仕様は、Gmail などのメールボックスプロバイダがメッセージを認証し、送信者のブランドロゴをユーザーの受信ボックスに表示できるようにします。
複数の認証されたロゴを持つ単一のメールドメインがある場合、BIMI セレクターを使用してケースごとに別のロゴを表示できます。たとえば、マーケティングメール用に 1 つのロゴ、テクニカルサポート用にもう 1 つのロゴといった具合です。最後のシナリオで説明した季節ごとに変更するロゴの例では、BIMI セレクターを使用して季節ごとにロゴを切り替えます。
多くの組織は、1 つの BIMI セレクターのみを使用していますが、使用できるセレクターの数に制限はありません。複雑なブランディング要件を求める企業にとって、受信者の受信ボックスに何を表示するかを制御できる機能は、ロゴ戦略にさらに磨きをかけるメリットになります。
このことを具体的に説明するため、DigiCert Sports という小売業者の例を挙げます。この架空のスポーツ用品業者は 7 つの異なるロゴを持っており、そのすべてが同一のメール送信ドメインに関連付けられています。DigiCert Sports は、BIMI セレクターを使用して顧客の地域に応じた適切なロゴを表示しています。
以下の表では、7 つの異なる BIMI セレクターと、7 つの異なる VMC およびロゴが示されています。メールヘッダーは、どの BIMI レコードを検索すべきかを受信者に知らせます。
送信者がメールヘッダーにおいて BIMI セレクターを指定しない場合は、受信者に表示される内容はデフォルトセレクターが決定します。送信者がメールヘッダーに「BIMI-Selector: v=BIMI1; s=Europe」と入力すると、Europe ロゴ(VMC2.pem)が、ユーザーの受信ボックスにおけるメッセージの横に表示されます。
DigiCert Sports の例では、BIMI-Selector ヘッダー列の各行に以下の構成要素が必要になります。
1. ヘッダー名: BIMI-Selector
2. バージョン: v=BIMI1
3. セレクター名:s=north_america;
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VMC、S/MIME、サイバーセキュリティなどのトピックについて詳しくお知りになりたい場合、記事を見逃さないようにデジサートのブログを参照してください。