戦争省(Department of War:DoW)は、市場に対して明確な警告を発しました。11 月に発表された メモランダム「Preparing for Migration to Post-Quantum Cryptography」は、2 つの事実をはっきりと示しています。第一に、量子コンピュータ対応の暗号は、もはや遠い研究テーマではないという点です。そして第二に、量子コンピュータ時代において安全に運用するためには、政府と産業界全体で、即時かつ協調した対応が求められるという点です。
DoW は現在、コンポーネントレベルでの 暗号のインベントリ作成、移行責任者の指名、テストおよび調達に関する成果物の提出、さらに 耐量子コンピュータ暗号(PQC) 技術をテストまたは導入する前の明示的な承認を義務付けています。また、機密性確保の手段として量子鍵配送(QKD)の使用を禁止するほか、事前共有鍵や一部の共通鍵確立方式については、10 年代末までに段階的に廃止するなど、厳格な技術的制限も定めています。
これは丁寧な提案ではありません。明確な義務です。暗号移行をいまだに「将来の作業」と捉えているすべての組織にとって、警鐘と受け止めるべき内容です。
このメモは、公的機関および民間部門のサイバーセキュリティ担当者にとって、実務上の前提条件を変える 3 つのポイントを示しています。
1. 可視化と自動化を強制
業務アプリケーションにおける証明書から 運用技術(OT) に組み込まれた鍵に至るまで、すべての暗号利用はインベントリ化され、指名された移行責任者が管理する必要があります。各コンポーネントは 20 日以内に連絡先情報を提出し、その後は毎年リストを更新しなければなりません。
2. 調達とテストを厳格に管理
各機関は、PQC に関するテスト計画および結果を提出し、承認を得た上で次の段階へ進む必要があります。セキュリティや相互運用性に関する課題が解消されていないシステムは、PQC の対象から除外されます。
3.「量子の万能薬」への幻想を排除
DoW は、機密性や ID 保護の手段として、量子鍵配送(QKD)や類似の量子通信技術を、検証済みで 標準に基づく PQC の代替として使用することを明確に否定しています。また、事前共有鍵や多くの共通鍵配布方式について、具体的な廃止期限(2030 年 12 月 31 日、限定的な例外あり)を設定しています。
これまで、次のような声がありました。「標準はまだ確定していない」「NIST の選定結果を待てばよい」「すべてのシステムに手を入れるのはコストが高い」。
しかし、DoW のメモは、こうした主張がもはや成立しない理由を明確にしています。
要するに、時間は刻々と過ぎており、「様子を見る」という姿勢は、技術的負債と受け入れ難いリスクを生むだけです。
デジサートは、PQC 移行を単なるコンプライアンス対応として扱うべきではなく、重要な使命として捉える必要があると考えています。ベンダー、インテグレーター、そしてお客様に対する当社の明確な立場は次のとおりです。
DoW が定める期限と技術要件を満たすためには、スケールして運用可能な実践的ソリューションが必要です。デジサートは、すでに次の取り組みを提供しています。
DoW のメモは、耐量子コンピュータ暗号への移行を、場当たり的なベンダー主導の混乱にしないという米国政府の強い意思表明です。これは国家安全保障にとって正しい姿勢であり、システムの完全性と可用性を重視するすべての組織が取るべき姿勢でもあります。
組織内で暗号を担当している方は、これを即時の運用上の最優先事項として捉えてください。インベントリを作成し、移行責任者を任命し、検証可能な移行計画を求めることが重要です。そして、実用的かつ監査可能な形で移行を進める経験豊富なパートナーが必要であれば、ぜひ お問い合わせください。